ビリヤード用語集

ビリヤード用語集


ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行・ラ行・ワ行

ア行(ア・イ・ウ・エ・オ・)


■厚い(あつい)
球を撞く方向から見た手球と的球の重なり具合で、一般的には1/2を境に、それよりも重なりが多い時に使う。

■厚み(あつみ)
球を撞く方向から見た手球と的球の重なり具合。一般的には1/2を境に、それよりも重なりが多ければ「厚い」、少なければ「薄い」と言う。

■後球(あとだま)
的球をポケットした後の配置のこと。また、コンビネーションショットやキャノンショットなどの後に残った配置のことを指す。「残り球」とも言う。

■アドレス(あどれす)
手球をショットするために構えに入る一連の動作のこと。あるいは、その時の構えの姿勢のこと。

■穴フリ・穴ブリ(あなフリ・あなブリ)
ポケットの広さ(平均的な広さはボール2.2個程度)を利用して、主に次の球へポジションすること。例えば、厚めの配置でできるだけ薄めにポケットして、その分手球を走らせる、あるいはその逆の場合など。ちなみにプロレベルになれば、ポケット、的球、手球を一直線に並べた配置でも、左右のいずれにも「フって」ポケットすることができる。

■アンドセーフティ(アンドセーフティ)
ポケットできる確率が高くない場合に、的球をポケットに狙いつつ、失敗した時の対策として「外れても相手に困難な状況」となるように意図的に配慮したショット。

■イニング
ミス、ファウルで交代するまでのプレーの間。ボウラードでは、フレームの前半、後半のいずれかを指す。

■イマジナリーボール
狙うポケットと的球を結んだライン上で、的球の後ろに密接して置かれた想像上のボール。そこに重なる様に手球を撞けば的球をポケットすることができる。

■イメージボール
狙うポケットと的球を結んだライン上で、的球の後ろに密接して置かれた想像上のボール。そこに重なる様に手球を撞けば的球をポケットすることができる。

■入れ(いれ)
通常のショットはもちろん、バンクショットやコンビネーションショット、キャノンショットなどのショットで的球をポケットに「入れ」ること、またはその狙い

■イレイチ
出し(ポジションプレー)を考えず、目の前の的球の入れ(シュート)のみを重視したショット、及び撞き手のその姿勢。イレイチを選択することの多い配置というのは、撞き手のレベルや得手不得手によって異なるが、「撞きづらのロング」などが代表例。語源は、「入れを一番に」や「入れ一本」など諸説ある。

■イングリッシュ
「ヒネリ」を意味する英語。

■インチ
長さの単位。1/12foot(1フィートの1/12)。約2.54cm。「in.」と省略して書くことも。欧米で一般に用いられるため、ビリヤード用具の寸法の基準単位となることが多い。

■インパクト
ビリヤードでは、ストローク中の一連の動きの一部として表現された場合に、キュー先(タップ)が手球を捉えることを指す。

■インレイ
キューのバットのデザイン性を高めるために、貝、木材、宝石などを装飾的に埋め込んだもの。

■ウェイトボルト
キューの重さやバランスを調整するために、バットに埋め込まれたネジ状の重り。

■ウォーミングアップストローク
手球をショットする前の準備運動的な一連のキューの動き。

■裏マス(うらます)
先攻の相手プレイヤーがブレイクショットをして、何もボールが入らなかった状態で回ってきた配置を、相手に一度もターンを渡すことなく最後まで「取り切る」こと。的球の数が最も多い状況なので、ブレイクランアウト(マスワリ)よりも困難な場合が多い。ただし、例えばナインボールにおいて1番ボール、2番ボールと入れて3番―9番コンビなどで終わった場合はこれに含めない。

■A級・Aクラス(えーきゅう・えーくらす)
ポケットビリヤードのアマチュアプレイヤーのレベルを表す言葉の内、2番目に高いクラスを指す。ビリヤード場やアマチュアのトーナメント等の場面で広く使用されているが、現在の所、全国的に統一された基準はない。

■エイトボール
代表的なポケットビリヤードのゲームの一つ。1番~7番までのローボール(ソリッド)、9番~15番までのハイボール(ストライプ)のどちらかを自分のグループボールとして、そのボールをポケットしていき、それを全てポケットし終えた後に8番ボールをポケットすれば勝ちとなるゲーム。世界中で最も親しまれているゲームの一つでもある。

■エイペックス
apex
ラックの頂点のこと。また、その位置にあるボールのこと。

■エイミングポイント
的球をポケットに狙う際に、実際にキュー先を向ける目標点。

■SA級・SAクラス(えすえーきゅう・えすえーくらす)
ポケットビリヤードのアマチュアプレイヤーのレベルを表す言葉の内、最も高いクラスを指す。A級選手の中で、オープン戦や、上級者を対象とした大きな公式試合での優勝者を区別して呼ぶ名称。ビリヤード場やアマチュアのトーナメント等の場面で広く使用されているが、現在の所、全国的に統一された基準はない。

■エントリーフィー
試合の参加費。

■エイペックス
apex
ラックの頂点のこと。また、その位置にあるボールのこと。

■オーケー
相手のショットの結果を待たずに、そのショットを成功したものと見なすこと。

■オープニング・ブレイクショット
その種目の開始時に行われるショット。通常はブレイクショットと同義に用いられるが、厳密にはブレイクショットが、ゲームの中で固まった状態にあるボールを割ることまでを指すのに対して、これはゲーム開始時に行われるショットのみを指す。

■オープン
(1)クッションと的球との間に隙間があること。(2)エイトボールで、プレイヤーのグループボールがまだ決定していない状態。

■オープンスタンス
フォームを作る際のスタンスの一種。重心が後ろ足にあり、前足のつま先が前方に向けられるのが特徴。

■オープン戦
プロとアマチュアが同時に参加できる試合のこと

■オープンテーブル
エイトボールで、プレイヤーのグループボールがまだ決定していない状態。

■オープンブリッジ
ブリッジの一種。上からの支えがない「オープン」なためにそう呼ばれ、キュー方向が「スタンダードブリッジ」に比べて見やすいために、難しい狙い(遠くて薄いなど)の場合に使われる。オープンレストとも言う。作り方は(1)テーブルに手を付いて、(2)そのまま卵を掴む様に手を膨らませる。(3)それに親指を添えれば完成。。

■オープンブレイク
ラックを割ることを前提条件として、「何らかの的球がポケットされるか、複数個の的球がクッションに入らなければならない」という規定。その規定に従ったブレイクショットのこと。

■オープンフレーム
ボウラードにおいて、そのフレームがストライクでもスペアでもなく、基本得点が9点以下の状態。

■押し殺し(おしごろし)
ポケット近くの的球を入れた後、強い前進回転により、手球がクッション反射後ただちに停止すること。また、そのように意図して行われたショット。

■押し球
手球に前進回転を与え、的球に当たった後に手球が転がるコースを、前進回転の効果によってコントロールしようと意図したショット。的球に対して直線的に100%の厚みで当たった場合は、手球はその場所から直線的に前進する。角度のある的球に当たった際には、一旦手球は的球の進行方向に対して90度の方向に動いた後に、前進回転の影響によってカーブ描きながら前進する。

■押し止め
ポケット近くの的球を入れた後、強いフォロー回転により、手球がクッション反射後ただちに停止すること。また、そのように意図して行われたショット

■押し抜きダブルクッション
強烈な前進回転を利用して、手球が連続して同じクッションに2回以上入るアクション。また、そのように意図して行われたショット。

■オブジェクトボール
(1)手球に対しての的球の総称。(2)現在狙うべき的球のこと。

■オルタネイトブレイク
前ゲームの結果に関わらず、先攻プレイヤーは奇数番ゲーム(1、3、5……)、後攻プレイヤーは偶数番ゲーム(2、4、6……)とブレイクショットの順番が最初から決められているルール。

■オンス
重量の単位。1/16ポンド。oz.と省略される。1オンスは約28.35g。日本でもキューの重さの単位として標準的に用いられる。

カ行(カ・キ・ク・ケ・コ・)


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■ガーター
ボウラードで、1イニング目が0点となること。

■カーブ
(1)手球の曲がり。(2)意識的、無意識的に手球に与えられた横回転とラシャとの摩擦により、手球が直線軌道をそれて曲がりを出すこと。あるいはそのショット。

■ガコガコ
的球がポケットの「角」に2度、3度当たって穴前に残ること。その様子を表す擬音から名付けられた。「カタカタ」とも言う。

■カット
一般的には厚みが1/2(的球の真後ろから見て、右半分/左半分に当てること)よりも薄い配置のこと。また、その配置でのショットのこと。真っ直ぐの球や、厚い球より狙いの感覚が掴みにくく、初級者は苦手とすることが多い。

■空クッション
的球が隠れていたり直接的なシュートが難しい場合に、手球をクッションに先に入れてから的球に当ててシュートやセーフティを狙うショット。クッションへの入射角や撞点、力加減などを正確に見極めないとこなせない難易度の高いショット。

■空コ
的球が隠れていたり直接的なシュートが難しい場合に、手球をクッションに先に入れてから的球に当ててシュートやセーフティを狙うショット。クッションへの入射角や撞点、力加減などを正確に見極めないとこなせない難易度の高いショット。クッションが「コ」と縮められている理由は、日本にビリヤードを紹介した古い書籍で、cushionの発音を「こっしん」と表記したことに由来すると言われる。同様に「球クッション」を「球コ」とも言う。

■完全ダブル・イリミネーション
勝ち抜き戦型のトーナメント形式の1つ。全出場者が、2度目に負けるまで優勝のチャンスがある、敗者復活戦のある試合形式。決勝戦は一度も負けていないプレイヤーと敗者復活戦から勝ち上がったプレイヤーの対戦となる。この時一度も負けていないプレイヤーが勝てばそのまま優勝となり、負けた場合には、もう一度同じ対戦をするプレーオフを行い、その勝者が優勝となる。ビリヤードのトーナメントでは多く採用される。

■キーボール
(1)14-1で、ブレイクボールの1つ前にポケットされるボールのこと。(2)3個以上の的球が接触した状態にある時、ポケットに向かうべきボールから数えて3個目のボールのこと。スロウによる影響を決定付けるボール。(3)配置の攻略やショットの成功に「鍵」となる球。例えば1番―9番コンビの1番ボールや、1つの配置の中で「ここをこなせれば取り切れる」といったボール。

■効かせる・効く(きかせる・きく)
押し引き、ヒネリの回転を効率良くかけること。ただ単に目一杯の上下左右を撞くだけではなく、手球に対するインパクトのタイミングや、フォロースルーなども影響する。上級者になれば、中心に近い「撞点」でも「効かせる」ことができる。

■利き目(ききめ)
効き腕や利き足の様に、両目の内でより強く物を見ている方の目で、方向性を把握する機能を担当する側の目。やや離れた位置にある物を両目で見ながら指で作った輪で囲み、眼を片方ずつつぶってその物が輪から動かない目を指す。ビリヤードでは重要視され、利き目の真下でキューを持つと良いと言われる。

■キス
手球と的球、あるいは的球同士の衝突。これを利用したショットで、第一的球を別の的球に当ててそこで方向を変えて第一的球をポケットする「キスショット」がある。

■キスイン
キスショットによって、別の的球に当たった第一的球がポケットすること。

■キックショット
手球をクッションに入れた後に的球に当てるショット。的球が隠れていたり直接的なシュートが難しい場合、あるいはセーフティをする場合に用いられる。クッションへの入射角や撞点、力加減などを正確に見極めないとこなせない難易度の高いショット。

■キッチン
テーブルベッドのヘッドラインよりもヘッド側の部分。俗に「ツーポイント」と言えば、この領域を指すことが多い。多くの種目でオープニングブレイクショットの際に、手球をこの範囲内の任意の位置に置いて始める。また種目により、ファウル後の手球をこの範囲内の任意の位置に置いてプレーを再開する。

■逆ヒネリ
的球の左側に手球を当ててシュートしたい場合、反対のサイド、つまり手球の右側を撞けば、「逆ヒネリ」となる(右側に手球を当てる場合は手球の左側を撞く)。ポケットビリヤードでの逆ヒネリは、「手球の勢いを減衰させたり、クッションから出る角度を縮ませて出したり」する際に使う(※「切り返し」などの例外もある)。かなり逆ヒネリを効かせた手球は、自然な回転で転がる手球ではあり得ないような動きもするので見た目にも面白い。ただ、逆ヒネリを使いながら的球をシュートするのは、慣れや練習が必要となる。

■キャノンショット
手球を連続して2個以上の的球に当てて、2個目以降の的球をポケットさせることを狙ったショット。的球への厚みや撞点が重要になり、後球も考えなければならない難易度の高いショット。略してキャノンは「大砲」の意味。

■キャロム
(1)キャノンショットのこと。(2)ポケットビリヤードに対して、スリークッションなどのポケットのないテーブルを使用する種目の総称。(3)動詞として「キャロムショットで~を狙う、~に当てる」という意味にも用いられる。

■キャロムショット
手球を連続して2個以上の的球に当てて、2個目以降の的球をポケットさせることを狙ったショット。的球への厚みや撞点が重要になり、後球も考えなければならない難易度の高いショット。略してキャノンは「大砲」の意味。

■キュー
ボールを撞くための棒状の道具で、主に木材を使用して作られている。現在のキューの多くは、ネジ式のジョイントで前半部のシャフトと後半部のバットを繋ぐ2分割の構造となっている。シャフトの先端部には革や樹脂製のタップが取り付けられており、この部分でボールを撞く。重さはオンス(1oz=約28.35g)で表され、一般的には18~21oz(約510~約595g)程度のものが使われる。また、バットにはハギやインレイが施されることによってデザイン的にも美しいものも多く、道具としてだけでなく、アート作品としての価値が高いものもある。

■キュー切れ
ショットにおいて、手球に与える回転が極めて効率的な反応となって現れること。また、そういうショット。押し引き、ヒネリが「効いた」状態を「切れた」と言い、その度合いを「キュー切れ」が「ある」「ない」と評する。

■キューケース
キューを運搬するための道具。様々な材質や形状があり、収納できるキューの本数も1本から4本以上まで、様々にある。キューケースの商品スペック表示に「1B2S」とあれば「バット1本とシャフト2本」が収納可能なことを表している。

■キュー・スキル・レイティング・システム
アメリカ人のプロ、アレン・ホプキンスの考案による、プレイヤーの技術的度量を数値的に測定することを目的とした競技種目。

■キュースティック
ボールを撞くための棒状の道具で、主に木材を使用して作られている。現在のキューの多くは、ネジ式のジョイントで前半部のシャフトと後半部のバットを繋ぐ2分割の構造となっている。シャフトの先端部には革や樹脂製のタップが取り付けられており、この部分でボールを撞く。重さはオンス(1oz=約28.35g)で表され、一般的には18~21oz(約510~約595g)程度のものが使われる。また、バットには様々な飾りが施されているものも多く、道具としてだけでなく、アート作品としての価値が高いものもある。

■キュー出し(キューだし)
手球をショットした後に、さらにキュー先が出ていくこと。また、その深さや安定度などを指す。押し引き、ヒネリを「効かせる」ために、手球をヒットさせたと同時にキューを止めるのではなく、さらに「フォロースルー」をすること。

■キューティップ
シャフトの最先端部に取り付けられ、ショットの際に手球に直接触れる部分で、主に革や樹脂などの素材から作られている。

■キューボール
ビリヤードのプレー中に唯一、タップで撞くことの許されるボール。通常は白い色をしている。オブジェクトボール(的球)に対する語。

■キューラック
壁などに取りつけて、使用しない状態のキューを安全に保管するための器具、設備

■曲球(きょくだま)
見るものに強い興味や驚きを起こさせるような、事前に計画された配置によるショット。手球をジャンプさせたり、強いバックスピンやカーブをかけたりする高い技術を要するものから、配置自体に工夫があり、誰がショットしても同様の結果が出るように計算されたものまで様々なショットがある。

■切り返し(きりかえし)
押しとヒネリを組み合わせたショット。ポジションプレーとしての使用頻度は少なくない。逆ヒネリを使うポジションテクニックの中で代表的なものの一つ。

■クッション
ビリヤードテーブルのテーブルベッドの周囲に取り付けられた、ラシャで包まれたゴム製の枠。的球を直接狙えない時などにここにボールを反射させる。短い辺を短クッション、長い辺を長クッションと呼ぶ。

■クッションジャンプ
クッションを使って手球をジャンプさせるショット。手球はクッションの反射後、高くジャンプしながら反射する。クッションから反射するコースに的球がある場合などに、それをかわすために用いられる。

■クッションタッチ
クッションとボールが隙間なく接した状態。手球がその状態になると撞点が上に限られた「撞きづら」い配置であるためにミスが起きやすくなる。

■クラスター
的球同士が密接していて直接シュートを狙う事ができないなど、テーブル上の配置の中で取り切りを進めていく上で難所と見られる箇所の中で、幾つもの的球が密接して塊を作っている箇所。

■グリップ
(1)キューを握る位置。あるいはその範囲。(2)キューの握り方。

■グリップラバー
キューのバットの糸巻き部分の上に取り付けるゴム製のチューブ状の補助用具で、滑り止めとして用いる。

■クローズドスタンス
スタンスの一種。前足に重心があり、前足のつま先がやや内側を向くのが特徴

■グローブ
ブリッジを組む手にはめて、シャフトの滑りを保つための用具。

■クロス
布のこと。ビリヤードでは、テーブルベッドに張られたラシャのことを指す。

■ゲームボール
(1)その1球をポケットすることで、試合の勝ちとなる的球。例えばナインボールでは、リーチをかけた(かけられた)状態の9番ボール。この状態でレフェリーがいる場合には、プレイヤーが9番ボールを狙っている際にコールされる。(2)実質的にその配置の中で、取り切りの要となる的球

■現状ブレイク
一部の種目で用いられるルールで、1つのラックが終了した時点で、キッチン内に停止した手球の位置を移動することなく、その場所から次のラックのブレイクショットを撞かなければならない、というもの。

■クロス
布のこと。ビリヤードでは、テーブルベッドに張られたラシャのことを指す。

■コーナーバンク
的球を先に一度以上クッションに入れてからポケットするバンクショットの内、コーナーポケットを狙ったバンクショット。

■コーナーポケット
ポケットビリヤードのテーブルの四隅にあるポケット。穴の幅は一般的なテーブルの場合ボール約2.2個分ほど。ポケットビリヤードではこことサイドにあるポケットに的球を落とすことを競い、転じてボールをシュートすることを「ポケットする」とも言う。

■コールショット
種目によって適用されるショットの方法を制限するルール。ショットの前に「どの的球」を「どのポケットに」狙うのかを指定しなければならないというもの。

■交互ブレイク
前ゲームの結果に関わらず、先攻プレイヤーは奇数番ゲーム(1、3、5……)、後攻プレイヤーは偶数番ゲーム(2、4、6……)とブレイクショットの順番が最初から決められているルール。

■5-9
ゴーキュー、ゴックなどと呼ばれる、ナインボールのバリエーションの1つ。3人以上でプレーする事ができ、5番と9番ボールが得点となるナインボールで、主に東日本を中心にプレーされている。

■ゴキブリ
外した狙いがサイドポケットの角にあたり、長クッションをはうようにコーナーポケットへ向かって走ること。壁伝いに素早く走る姿がゴキブリに似ているところから。基本的にはフロック。ただし意図的に狙うこともできる。

■コジリ・コジる
キューは真っ直ぐ振ることが基本とされるが、体格、フォーム、利き目などの物理的要因、あるいは特定のショットへの苦手意識から、キューが左右にズレて撞き出されてしまうこと。意識的に行う人もいるが、基本的にはシュートの確率を下げることにつながるので避けなければならない。

■殺し球(ころしだま)
手球のスピードを抑えること。撞点・真下でギリギリまでスピードを抑えたショット。また、クッションに対して「逆ヒネリ」を使ってスピードを抑えるショットも指す。

■コンタクトポイント
(1)ボール同士の接触点のこと。(2)的球を正しくポケットするために手球が接触するべき点。

■コンビネーションショット
手球を第1的球に当てた後に、それを第2的球に当ててポケットする技術。また、その狙い方。通常のショットよりも狙いが「点」となるため、非常に難易度の高いショット。これも「キャノンショット」同様、後球を考えてショットしなければならない。略してコンビ。3つ以上の的球を使ったコンビもある。

サ行(サ・シ・ス・セ・ソ・)


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■座
タップと先角の間に挟む、薄い革や樹脂製のクッション。始めからタップと一体型になっている場合もあり、座だけを好みに応じて追加して取り付けることもある。

■サイドバンク
的球を先に一度以上クッションに入れてからポケットするバンクショットの内、サイドポケットを狙ったバンクショット。

■サイドポケット
長クッションの中央に設けられたポケット。1つのテーブルに2ケ所ある。通常は開口部がコーナーポケットよりもやや広めに作られている。

■サイドレール
長クッションとサイドポケットのある側の木枠の上面部分。

■~先(~さき)
「~ラック(ゲーム)先取」のことで、勝つために獲得しなければならないラック数を表す言い回し。例えば、先に5ラックを取得した方がそのゲームの勝ちとなる時は「5先」(ゴサキ)となる。

■先球(さきだま)
ポケットさせることを狙っている的球。例えばナインボールで、ブレイクノーインで回ってきた場合の1番ボール。また、1番―9番コンビでの9番ボールのように、コンビネーションショットでの第2的球を指す場合もある。

■先角(さきづの)
シャフトの先端に取り付けられた、主に白色の樹脂製の部分で、これにタップを付ける。ショットの際の衝撃から、シャフトを守る働きをしている。「フェラル」「骨(こつ)」とも呼ばれる。

■座布団
ブレイクショットの時、ラシャを磨耗から保護するため手球の下に敷く小さく切ったラシャ。試合では使用しないが、ビリヤード場での通常のプレー時に使われることが多い。お店によってはクリアファイルをカットしたものなど、ラシャではない座布団が用意されている事もある。

■CSカード(しーえすかーど)
社団法人日本ビリヤード協会が発行する全国プレイヤー登録証。オリンピックへのビリヤードの参加を始めとして、ビリヤード競技の普及・発展のため、ビリヤード愛好の志を一つにした団体組織活動を行うことを目的として発行されている。基本的に誰もが登録できるが、ビリヤードプレイヤーのオフィシャルカードとしての側面も持ち、日本ビリヤード協会が公認する公式の試合に出場するためには登録が必要となる。

■C級・Cクラス(しーきゅう・しーくらす)
ポケットビリヤードのアマチュアプレイヤーのレベルを表す言葉の内、4番目のクラスを指す。ビリヤード場やアマチュアのトーナメント等の場面で広く使用されているが、現在の所、全国的に統一された基準はない。近年では初心者(ビギナー)をCクラスとは別にして、プレイヤー全体がSA→A→B→C→ビギナーの5段階でクラス分けされることも多い。

■システム
ビリヤードテーブルの周囲に等間隔に付けられた目印(古くは菱形をしていた)に様々な数字をあてはめ、それらの加減乗除によって、手球や的球の走るコースを体系的にまとめたもの。ダイヤモンドシステムとも呼ばれる。

■ジャパンナインボール
(1)9番ボールが落ちれば勝ちとなる普通のナインボールを「USナインボール」と呼んだ時、それと区別する時の名称。(2)主に西日本を中心としてプレーされている、3人以上でプレーでき、3番、5番、7番、9番が得点となるナインボール。ジャパンと略されることが多い。「5-9」と同義で使われることもあるが、ルールには異なる部分がある。

■シャフト
キューのジョイントから上半分の部分。先端に先角とタップが付く。メイプル(楓)をメインの材料として製作されることが多い。キューのプレーアビリティに大きく影響する部分と考えられており、’90年代後半以降は木材そのものではなく、シャフトを中空構造にする、シャフト中に別の素材を埋め込む、複数枚のシャフト材を貼り合わせるなどの加工が施されたシャフト(ハイテクシャフト)も盛んに製作されている。

■ジャンプ&ブレイクキュー
基本的にはブレイクショット用のキューとしてデザインされ、バットを分割構造にしてジャンプショットに、より適したキューとしても使えるように設計されたキュー。

■ジャンプキュー
ジャンプショットのためだけにデザインされた、ジャンプ専用キュー。通常のプレーキュー、ブレイクキューに比べて短く設計されている。

■ジャンプショット
キューを立てて上から撞き降ろし、手球をラシャとキューで挟み込むようにしてその反発で飛ばすショット。遠くの的球を越える「ロングジャンプ」と近い的球を越える「ショートジャンプ」がある。専用の短い「ジャンプキュー」を使うのが一般的だが、通常のプレーキューでも可能ではある。

■シュート
通常のショットはもちろん、バンクショットやコンビネーションショット、キャノンショットなどのショットで的球をポケットに「入れ」ること、またはその狙い。

■シュートシュートライン
狙っているポケットの中心から狙っている的球の中心を通るライン。

■順ヒネリ
ポケットビリヤードでは、的球の右側に手球を当ててシュートしたい場合、同じサイド、つまり手球の右側を撞けば、「順ヒネリ」となる(キャロム系種目とは順・逆の定義が異なる)。ポケットビリヤードでの順ヒネリは、「手球をクッションからより多く(長く)走らせたり、クッションからの反射角を開かせて出したり」する際に使うことが多い。

■ジョー
ポケットの口のクッション面よりも中に入った部分。クッションの切り口と切り口の間の区間。

■ジョイント
キューのシャフトとバットを繋ぐ接合部。一般的にはシャフト側がメスネジ、バット側がオスネジとなっており、持ち運びの際にはそれぞれにキャップを被せる。

■ジョイントカラー
シャフトのタップが付いてる側とは逆の後端部分。ステンレス等の金属や樹脂などが使われることが多く、飾りリングなどの装飾が施されていることもある。

■ジョイントキャップ
ジョイントプロテクターを簡易な作りにした器具。あるいはジョイントプロテクターそのものを指す。

■ジョイントプロテクター
キューをバットとシャフトに分割した際に、ジョイント部分の保護と、キューの断面からの湿気の侵入を防ぐことを目的とした器具。バットとシャフトのそれぞれに個別に取り付ける。

■場外球
テーブルの外に飛び出した手球あるいは的球。テーブルの外とは、テーブルベッド以外の全ての場所を指す。

■勝者ゾーン
ダブル・イリミネーションのトーナメントで、まだ一度も負けのない人が勝ち進む状態を示す部分。

■ショット
(1)球を撞くこと。単に「シュート」だけではなく、セーフティやブレイクショットなど、球を撞く全ての行為を指す。(2)プレーの順番。ミスやファウルをするまでの間。イニングやストロークと同義に用いられることもあるが、厳密にいうと、ショットはタップと手球の1回の接触という範囲を指す。

■シングル・イリミネーション
勝ち上がり式の試合形式の一種で、1度負けると失格となるもの。敗者復活戦がない。

■芯撞き
基本的には、手球の中心を撞くこと。人により、単に「中心の撞点」の意味で使う場合もあれば、ストップショットの意味や、より広い解釈で、左右の撞点(ヒネリ)以外の「縦の撞点」の意味で使う場合もある。いずれも基本の撞点。

■スクラッチ
(1)ポケットビリヤード共通のファウルの一種で、手球がポケットに入ってしまうこと。(2)対戦者とハンディキャップのない状態。ノーハンデ。

■スコンク
対戦において、0ポイントのまま負けること。「スコ負け」などと表現されることもある。

■スタンス
立ち方のこと。フォームの一種で足の開き具合のこと。プレイヤーの体格やプレースタイル等によって、様々に変わってくる。

■スタンダードブリッジ
ブリッジの一種で、使用頻度が高く、最も安定したもの。標準的、基本的な構えで、親指と人さし指で作った輪の中にシャフトを通すやり方。作り方は、(1)手を広げてテーブルにつけ、(2)中指、薬指、小指を引き付けるように浮かせる。(3)親指を中指の第2関節につけて、(4)人差し指で輪を作れば完成。手をラシャから浮かせるよりも小指の下の部分をつけると安定する。

■スタンディングブリッジ
ブリッジの一種で、ブリッジを組む場所を的球が塞いでいる場合や手球とブリッジの間に他のボールが障害となっている場合などに用いられる。オープンブリッジを応用した形で、指先でブリッジ全体を立たせることでシャフトに高さを与えてショットを可能にする。

■ストップショット
手球が的球に当たった時に手球がそこで止まるショット。ポケットと的球、手球が一直線に並び、的球に当たった瞬間に手球が無回転状態にあることが条件。ただし「フリ」があって止まらなくても、「分離角」が90度のショットを指すこともある。

■ストライク
ボウラードで、1フレームの前半イニングで10点を取ること。所定のボーナス得点が加算される。

■ストライプ
ポケットビリヤードの的球の内、9番から15番ボールまでの総称。ソリッドに対応するボールのグループ。和製英語ではハイボールともいう。

■ストレートプール
ポケットビリヤードの代表的なゲームの一つで「14-1」の別名。15個の的球を使用し、番号に関係なくポケットしていき、14個目をポケットした時点で頂点のない14個でラックを組み、15個目をポケットしながらそのラックを割ることで、プレーを継続するという種目。

■ストローク
(1)手球を撞く動作。その際のキューの動きのこと。大きくはテイクバック、インパクト、フォロースルーの3段階に分かれる。(2)実際のショットの前の準備運動(ウォーミングアップストローク)。(3)1回だけのショットのこと。

■スヌーカー
イギリスを中心に世界中に普及しているビリヤード競技の一つ。ポケットビリヤードのテーブルに比べて、形状の違うポケットのついた、辺比率1.5倍の大きなテーブルでプレーされ、手球1個と的球21個を使用する。ボールの大きさもポケットビリヤードより小さい。スヌーカーのsnooke(スヌーク)とは、ポケットビリヤードでいう「セーフティをかける」という意味。

■スポット
(1)元義は「点」を意味するが、ビリヤードにおいてはヘッドスポット、センタースポット、フットスポットを総称してこう呼ぶ。(2)フィリピン式ローテーションでは、「ギブアップ」を「スポット」と宣言する。

■スリークッション
キャロムビリヤードの種目で、ポケットのないポケットビリヤードよりも大きめのテーブルでプレーされる。手球1個と的球2個を使用し、手球を2個の的球に当てて得点となるが、2個目の的球に当たる前に少なくとも手球が3回以上クッションに入っていなければならないという制約がある。英語でビリヤードというと元来はこの種目を指し、ポケットビリヤードはそれと区別して「プール」と呼ばれる。

■スリーファウル
ポケットビリヤードの一部の種目で、「1ラック(ゲーム)の範囲内において、3回連続してショットがファウルとなった場合」に、ペナルティが与えられるというもの。ナインボールではそのラックの負けとなり、14-1では、3回目のファウルの1点とスリーファウルの15点を合わせて16点の減点となる。

■スリッカー
メンテナンス用具の1つ。シャフトの汚れを落として滑りをよくすることを目的として作られており、形状は様々である。

■スレート
ビリヤードテーブルのラシャの下にある石板。ポケット台は通常3枚のスレートが置かれ、継ぎ目を石膏でふさいである。古くは大理石を素材としていたが、現在は人造素材が主である。

■スロウ
手球が的球に接触した際に、ボールの表面では必ず摩擦が発生するため、角度(フリ)のある的球をシュートする際、理論的に正しい厚みより、実際は厚い方向へ的球は進んで行く現象。「摩擦の力で的球が手球の進行方向に引っ張られる」と考えると理解しやすい。手球、的球、ポケットが一直線に並んでいる配置ならば何の影響も出ないが、フリのある的球をシュートする時には、必ず起こっている。スロウによる的球のコースのズレの程度は、手球にかけられている回転、手球のスピード、角度、的球―ポケット間の距離などにもよるが、数mm~ボール3個分にもなる。

■セーフティ
(1)シュートが難しい、あるいは入れられても次の球へのポジションが取れない場合などに選択する、積極的な守備のショット。的球か手球、あるいはその両方をコントロールして、別の的球の裏に隠したり、遠ざけたりして、相手に撞きにくい配置を回す。相手が当てることもできず、ファウルをしてくれる形が一つの理想。(2)種目によっては、得点の意志がないことを意味するコール。的球が入っても入らなくても、現状の配置で選手は交代となる。

■セーフ
的球が入る入らないは関係なく、セーフティを含めたファウルではない全ての合法的なショット。

■世界ビリヤードスポーツ連合
WCBS(World Confederation of Billiard Sports)。世界中のビリヤード組織を統合する組織。1996年にIOC(国際オリンピック委員会)の承認を得て、国際スポーツとして、ビリヤードの地位を確固たるものにした。

■積層タップ
薄い革を何枚も重ねて接着したものを丸く型抜きして作られたタップの総称。海外では一般的に「ラミネートタップ」と呼ばれる。これを世界で初めて開発して製品化したのは、日本の「モーリタップ」で、現在では、これに追随する世界各国の多くのメーカーがこのタイプのタップを製作、販売している。

■セットマッチ
1つの種目で対戦する時、1ラック(ゲーム)の勝ちを1ポイントとして、所定のポイントを先に取った方を勝ちとする方法。

■センターショット
的球をセンタースポットに置き、手球をキッチン内の任意の位置からコーナーポケットに狙うショット。特に、ポケットと的球を結んだ延長上に手球を置いた一直線のショットを指す場合が多く、キューを真っ直ぐ出しているか否かの確認になるため、練習として取り組む人も多い。また単に一直線に並んだ配置も言う。

■センタースポット
テーブルの中心に記された小さな円状の目印。種目ごとのルールによって、この上に的球を移動することがある。

■即死
一見してほぼ間違いなくポケットできる配置。ただし、穴前の的球を単に直接シュートできる場合は使われず、主に「コンビネーションショット」や「キャノンショット」の場面で使われることが多い。また、ブレイクショットでラック内の的球が直接ポケットされることも言う。

■ソフトケース
キューケースの素材と形状の一種で、革やビニールの袋状になっているもの。外的な衝撃からの保護能力はハードケースに比べて低い。

■ソリッド
ポケットビリヤードの的球の内、1番から7番ボールまでの総称。ストライプに対応するボールのグループ。和製英語ではローボールともいう。

タ行(タ・チ・ツ・テ・ト・)


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■ターゲットプール
アメリカのプロプレイヤー、キム・ダベンポート考案によるゲーム。ダーツに似た的をテーブルの上に置いて、手球のコントロール力を競う、練習的要素を含んだゲーム。

■タイミング
1)ビリヤードにおいては、ショットの際、手球とタップがインパクトしたとプレイヤーが無意識に感じる一瞬と、現実のインパクトの瞬間とのずれの大小のことを指す。タイミングが良いとは、この両者が極めて近い状態のショットのことを指す。(2)テーブル上を同時に移動する複数のボールが計算に基づいて、あるいは偶然に出会う頃合いのこと。これを利用した狙いをタイミングショット、タイムショット、出会い球などという。

■ダイヤモンド
クッションに添ってテーブルの周囲に等間隔に並べられた印。クッションを使ったショットをする際などに目安として利用される。現在は丸い形をしているものが多いが、古くは菱形(ダイヤモンド)をしていたことに由来してこう呼ばれる。

■出し(だし)
ポケットビリヤードで、的球をポケットした後に、次の球を比較的安全にシュートでき、かつさらに次の球へポジションしやすい位置に手球をポジションすること。

■立つ・立てる
(1)ブレイクショット前に正しい位置に正しい順番で的球を並べること。(2)クッションへの入射角に対してからの反射角が大きくなること。また「逆ヒネリ」などを使い、意図して反射角が大きくなる状態を作る事。

■タッチ
(ボールが、クッションや他のボールと完全に隙間なく接触した状態のこと。「トラブル」である場合が少なくない。ただし、この状態で的球と他の的球を結んだラインがポケットに向かっている場合に「即死コンビ」となる。

■タップ
シャフトの最先端部に取り付けられ、ショットの際に手球に直接触れる部分で、主に革や樹脂などの素材から作られている。

■縦バンク(たてバンク)
的球を先に一度以上クッションに入れてからコーナーやサイドにポケットするショットの内、的球を短クッションに反射させて狙うバンクショット。ほとんどの場合はコーナーポケットを狙う。長クッションを使ったバンクショットと基本的な狙い方は同じだが、的球の走る距離が長くなるため難易度は高い。

■ダブル・イリミネーション
(1)勝ち抜き戦型のトーナメント形式の1つ。全出場者が、2度目に負けるまで優勝のチャンスがある敗者復活戦のある試合形式。決勝戦は一度も負けていないプレイヤーと敗者復活戦から勝ち上がったプレイヤーの対戦となる。この時一度も負けていないプレイヤーが勝てばそのまま優勝となり、負けた場合には、もう一度同じ対戦をするプレーオフを行い、その勝者が優勝となる。ビリヤードのトーナメントでは多く採用される。(2)完全ダブル・イリミネーションに対して、プレーオフを行わず、どちらが勝利しても決勝戦で優勝者を決める略式のダブル・イリミネーション。

■ダブルバンク
的球を先に一度以上クッションに入れてからコーナーやサイドにポケットするバンクショットの延長形として、的球が2クッションの後、最終的に対面する側のポケットに入るショット。

■ダブルヒット
手球と的球の隙間がチョーク1個以内である場合に、これをコールすることによって「二度撞き」までが許される日本特有のルール。現在プロやアマチュアの公式戦では認められなくなっている。

■球
ポケットビリヤードのボールには、手球と的球の2種類があり、白いものが手球で、的球には1~5までの番号が振られている。1番~番ボールまでをローボール、9番~5番ボールまでをハイボールとも呼ぶ。以前は象牙製であったが、現在はフェノリック樹脂製がほとんど。

■球クッション(たまくっしょん)
クッション際にある的球に手球が当たり、手球が逃げる前に、クッションの反発を受けた的球が、再び手球に当たること。予想に反して起こったため、的球のコースを狂わせるミスとなることもあれば、その反応を事前に予期して、利用することもある。

■球コ(たまこ)
クッション際にある的球に手球が当たり、手球が逃げる前に、クッションの反発を受けた的球が、再び手球に当たる球クッションの短縮した呼称。クッションが「コ」と縮められている理由は、日本にビリヤードを紹介した古い書籍で、cushionの発音を「こっしん」と表記したことに由来すると言われる。同様に「空クッション」を「空コ」とも言う。

■球触り(たまざわり)
ビリヤード共通のファウルの一種。フリーボールの状況を除いて、手球や的球にタップ以外のキューや衣服、髪、手などが触れること。ただしアメリカでは、意図的でなければファウルではなく、相手が元の位置に戻すか現状スタートを選択するルールもある。また、ネクタイや着衣についても軽度の球触りを多めに見るような柔軟な運用をしている国も多い。

■球なり(たまなり)
手球を自然に転がして的球を入れるだけで取り切れるような配置。または、そのように楽に取り切れるようにポジションプレーを組み立てること。パワーやキュー切れや強いヒネリに頼るのではなく、たえず適切なフリを取り、芯撞きや軽い押し球で、入れるだけで次に繋がっていくような、理想的なポジションプレーの形。

■短クッション(たんくっしょん)
テーブルのヘッド側とフット側の両側にあるクッション。

■縮む・縮める(ちぢむ・ちぢめる)
クッションへの入射角に対してからの反射角が大きくなること。また「逆ヒネリ」などを使い、意図して反射角が大きくなる状態を作る事。

■長クッション(ちょうくっしょん)
サイドポケットの両側からコーナーポケットまであるクッションのこと。サイドポケットで分割されているが、コーナーからコーナーまでを1本のクッションと見なすため「長」クッションと呼ぶ。

■チョーク
ビリヤード用品としてのチョークは、キュー先(タップ)に塗ることで、手球の様々な撞点を撞く時にミスキューを防ぐための滑り止めとすることを目的とした、小さなサイコロ状の用品のことを指す。

■チョークケース
チョークをキューケースに入れて運搬する時にキューケース内を汚さないようにするためのチョークの容器。ケースに入れたまま使用できるものもある。

■ちょんまげ
土手撞きを失敗した際に見られることがある特定の形の名称。クッションにタッチした状態の手球を無理な上の撞点で撞いた失敗の結果として、キュー先が手球の上面を滑り、先角近辺が手球の上に乗った形で、手球が全く前進しないことがある。手球を人の頭に見立て、その上に乗った先角がちょんまげに似ていることから名付けられた。

■2ポイント
テーブルの周辺のポイント2つ分の間隔のことだが、一般に2ポイントといえば「ヘッドクッションから」の距離に限定した意味となる。つまりヘッドラインのことを指す。

■撞きづら(つきづら)
的球越しに手球を撞く場合など、通常のブリッジが組みにくい状態でのショットのこと。及び、撞きづらい配置そのもの。的球越しの手球ではフィンガーチップブリッジを多用する。クッション際の手球を撞く「土手撞き」も、小柄なプレイヤーがテーブル上に大きく身を乗り出す姿勢(手球が遠い配置)も、撞きづらの一つ。

■撞く(つく)
ブレイクを除く、全てのショットのこと。ビリヤード全般を日本語で表す場合には「撞球」や「球撞き」となる。

■角(つの)
コーナーポケット、サイドポケットのポケット際の角(かど)の部分。

■角クッション(つのくっしょん)
コーナーなどにある「角」をクッションとして利用したショット。高度なショットだが、角によって遮られた場合でもこれを使うことによって的球を狙うことができる。「ゴキブリ」もこの一種。

■詰まる・詰める(つまる・つめる)
クッションへの入射角に対してからの反射角が大きくなること。また「逆ヒネリ」などを使い、意図して反射角が大きくなる状態を作る事。

■出会い球(であいだま)
(1)技術の名称として、一度接触してから一旦分離したボール同士が、再び接触する時間差を計算に入れたショット。1度目の接触で的球をポケット前に運び、2度目の接触でポケットに入れるなどの狙い方をする。(2)予期しない結果としてのボール同士の2度目の接触

■テイクバック
手球を撞く一連の動作(ストローク)の中で、キューを後ろ向きに引き下げる動作のこと。バックスイング。

■テーブル
各種ビリヤード種目を行うための、正確な水平が取られたスレート(石板)を1枚のラシャ(布)で覆ったテーブルのこと。種目ごとに異なった大きさ、形状をしている。また、ポケットビリヤードだけでも、公式競技用の標準サイズ以外に、非公式のものとして数種類の大きさのテーブルがある。日本で最も一般的なポケットビリヤードのテーブルは、内径(プレーするエリア)が100インチ×50インチ(254cm×127cm)の9フィートテーブルと呼ばれるもの。

■テーブルオープン
エイトボールのブレイクショット直後及び、通常のプレーに入った後にプレイヤーのグループボールが決定していない状態。この時にプレイヤーは手球をローボール、ハイボールのどちらに先に当ててもよい。

■テーブルベッド
ボールが転がる、実際のプレーをするエリア全体のこと。クッションからクッションまでの全領域

■テケテケ
一度クッションに入った手球が的球に当たり、その後再び同じクッションに入って他の的球に当たること。「キックショット」と「キャノンショット」を複合した技術。元々はスリークッションの当て方の1つ。ティッキーとも言う。

■手球(てだま)
ビリヤードのプレー中に唯一、タップで撞くことの許されるボール。通常は白い色をしている。的球(オブジェクトボール)に対する語。

■手球フリー
相手のファウルにより、手球を手に持ってテーブル上の任意の場所に手球を置けること。フリーボールとも言う。ちなみにフリーボールは和製英語で、本来の英語では「ball in hand」。

■デッドストローク
フォームがしっかりと固まっていて、どんな難球にもスムーズに、全くぶれることなくキューが振れること。言わばビリヤードにおいて「ゾーン」に入った状態を指す。

■デッドストローク
フォームがしっかりと固まっていて、どんな難球にもスムーズに、全くぶれることなくキューが振れること。言わばビリヤードにおいて「ゾーン」に入った状態を指す。

■撞点(どうてん)
手球をタップで撞く時の狙い点。タップの幅と手球の曲面の関係から、手球の中心を撞く場合以外は、実際の接触点と撞点は異なる場合がある。

■撞点システム
手球表面の撞点分布を、ヒネリの段階的変化に応じて整理したもの。また、その変化を利用したシステム。

■土手撞き(どてづき)
クッションの俗称。

■飛ばす(とばす)
的球がポケットから外れること。地方によっては「抜く」とも。上級者がプレーする場合、飛ばした後の残りの配置を計算してアンドセーフティを狙うこともある。

■トライアングルラック
ポケットビリヤードの的球をセットするために用いる正三角形の枠のこと。木製やプラスティック製のものが主流で、単にラックとも呼ぶ。テーブル毎に一つ置かれているが、近年の日本のビリヤード場では、これよりも簡単にラックを組む事ができるラックシート・ラックスポットシール等のアイテムが普及してきている。

■トラブル
的球同士が密接していて直接シュートを狙う事ができないなど、テーブル上の配置の中で取り切りを進めていく上で難所と見られる箇所。特に幾つもの的球が密接して塊を作っている箇所については、クラスターと呼ばれることもある。

■取り切り(とりきり)
(1)ゲームの途中でターンが回ってきた後、テーブル上に残っているポケットすべき的球を最後まで、ミスやファウルをせずに1回のイニングで落とし続けること。(2)ブレイクアンドランアウトのこと。

■取り出し
ブレイクショット直後の1球目のこと。また、その時に狙う的球を指す場合もある。取り出しはゲームの種類や状況によって変わるため、必ずしも1番ボールのことではない。例えばナインボールで、自分のブレイクで1番ボールが入った場合、取り出しは2番ボールとなる。

■トリックショット
見るものに強い興味や驚きを起こさせるような、事前に計画された配置によるショット。手球をジャンプさせたり、強いバックスピンやカーブをかけたりする高い技術を要するものから、配置自体に工夫があり、誰がショットしても同様の結果が出るように計算されたものまで様々なショットがある。

■トリプルバンク
的球を先に一度以上クッションに入れてからコーナーやサイドにポケットするバンクショットの内、短―Z―Z、あるいは長―キ―キなどと3回クッションを使った後にポケットさせるショット。

■トリマー
タップに適度な丸みをつけるための工具。やすりの一種だが、様々な形状のものがある。

■ドロー
(1)「ドローショット」「引き球」のこと。(2)手球に与えられた逆回転のこと。

■ドローショット
手球の下を撞いてバックスピンを与え、的球に当たった後に手球が転がるコースを、バックスピンの効果によってコントロールしようと意図したショット。的球に対して直線的に100%の厚みで当たった場合は、手球はその場所から直線的に後進する。角度のある的球に当たった際には、一旦手球は的球の進行方向に対して90度の方向に動いた後に、バックスピンの影響によってカーブ描きながら後進する。

ナ行(ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ)


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■ナインボール
ポケットビリヤードの代表的なゲームの一つ。ゲーム中はテーブル上に残っている最小番号の的球から順番に当ててポケットしていき、最終的にファウルすることなく9番ボールをポケットした方が勝ちとなる。日本では最も人気が高く、現在でもビリヤード場で多くプレーされている他、プロやアマチュアの試合でも競技種目として多くの大会で採用されている。

■ナンバーボール
ポケットビリヤードで使用されるボールの内、手球以外の総称。

■二度撞き(にどづき)
ビリヤード共通のファウルの一種。手球と的球が近接している場合に、1ショットの中で、タップが手球に2度触れること。

■日本アマチュアポケットビリヤード連盟
JAPA(Japan Amateur Pocket-Billiard Federation)。(社)日本ビリヤード協会に加盟するアマチュアポケットビリヤードの競技団体。通称「アマ連」。年間を通して、全国規模のものから都道府県レベルまで、大小様々な競技会を開催している。

■日本スヌーカー連盟
JSA(Japan Snooker Association)。(社)日本ビリヤード協会に加盟するスヌーカーの競技団体。年間を通して、全日本選手権を始めとした大小様々な競技会を開催している。

■日本ビリヤード協会
NBA(National Billiards Association)。ポケット、キャロム、スヌーカーのプロ、アマチュアの競技団体などを含めて、現在の日本のスポーツビリヤードを統括する組織。日本撞球協会(大正15年発足)を前身として、昭和26年に発足した。以降、競技スポーツ・生涯スポーツとしてのビリヤードの普及と発展を大きな目的に活動を続けている。’05年にはJOC(日本オリンピック委員会)の加盟団体となった。

■日本プロビリヤード連盟
JPBF(Japan Professional Billiard Federation)。(社)日本ビリヤード協会に加盟するプロキャロムビリヤードの競技団体。大正14年に発足した日本で最も歴史あるプロ団体でもある。現在約80名のプロプレイヤーが所属し、年間を通じて大小様々なトーナメントを開催している。また、国内だけでなく世界の舞台でも数多くのプレイヤーが活躍しており、これまでに小林伸明、梅田竜二、肥田緒里絵の3名の世界チャンピオンを輩出している。

■日本プロポケットビリヤード連盟
JPBA(Japan Professional Pocket Billiards Association)。(社)日本ビリヤード協会に加盟するプロポケットビリヤードの競技団体。’65年に発足した日本最大のプロ団体でもある。現在男女合わせて約300名のプロプレイヤーが所属し、年間を通じて大小様々なトーナメントを開催している。また、国内だけでなく世界の舞台でも数多くのプレイヤーが活躍しており、これまでに奥村健(現JPBF)、高橋邦彦、赤狩山幸男の3名の世界チャンピオンを輩出している。

■入射角(にゅうしゃかく)
ボールがクッションに入る際の角度。これを正確に見極めることは、ポジションプレーの精度に大きく関わる

■ネキ
ネクストを和製英語的に縮めた表現。1つの的球をポケットした後の配置のこと。あるいは、その時の手球の位置のこと。

■ネクスト
今狙うべき的球の、次に狙うべき的球。またはそのポジション。ポケットビリヤードで安全にランアウトするためにはこれが最も重要となる。

■狙い点
的球をポケットに狙う際に、実際にキュー先を向ける目標点。

■ノークッションファウル
ポケットビリヤード共通のファウルの一種。的球がポケットされた場合を除き、手球と的球が当たった後、テーブル上の1個以上の球がクッションに届かなければならない。的球が初めからクッションにタッチしている場合は、この的球がもう一度クッションに接触するか、手球を含めたテーブル上の他のボールがクッションに入らなければならない。

■ノーコールショット
コールショットの反義語。ショットの前にあらかじめポケットされるべきボールや、それを狙うポケットを指定しなくてもよいとするルール。偶然やラッキーによる得点も認められる。

■伸ばす・伸びる
クッションへの入射角に対してからの反射角が小さくなること。また「順ヒネリ」などを使い、意図して反射角が小さくなる状態を作る事。

ハ行(ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ)


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■ハードケース
キューケースの素材と形状の一種で、硬い素材が使用され、外的な衝撃からの保護能力を高めてある

■ハーフVシステム
システムの一種で、ファイブアンドハーフシステムの第2クッションを求める方法。

■敗者ゾーン
ダブル・イリミネーションのトーナメントにおいて、1敗した選手たちが2敗目をするまで、優勝の可能性を残しつつ勝ち上がる部分。

■ハイラン
14-1で、最も高い点数の出たイニングでの得点

■ハウスキュー
ビリヤード場に備え付けてある貸出し用のキュー。

■ハウストーナメント
ビリヤード場が主催するトーナメントの総称。毎週定期的に行われるものから年に一度のもの、ビギナーやC級限定のものから、オープン戦としてプロプレイヤーも参加できるものなど、全国のビリヤード場において様々な形で開催されている。

■パウダー
タルクを主成分とする白い粉末で、手やシャフトにつけて滑りをよくするアイテム。固形タイプのものもある。

■ハギ
キューのバットに見られる先端部が尖った紋様部分。バットを製作する際に2つの角材に切り込みを作り、それを接ぎ合わせた後に棒状に成形すると現れる。元来はキュー製作の工程上自然に現れるものであったが、技術が進歩するにつれて、別の木材を貼り合わせるだけでなく、角材の切り込み方などにも様々な手法が生まれ、より複雑な形状のデザイン的にも美しいハギを持ったキューも製作されるようになった。現在では、バット表面を削り、ハギの形状をしたパーツを埋め込む「インレイハギ」のキューも多数製作されている

■弾く(はじく)
手球のインパクト時に、フォロースルーをあまり行わずキューを止めるようにショットすること。中心以外のいずれかの撞点を撞いても、押し引き、ヒネリなどの効果は得にくい。ただし、ポジションプレーのためにあえてこのようなショットを選択する場合もある。

■パス
プッシュアウトルールが採用されているゲーム中、相手のプッシュアウトに対して、残された配置を引き継がず、プレーの権利を相手に譲ること。パスされた場合は、プッシュアウトを行ったプレイヤーが、必ず現状の配置からプレーしなければならない。

■ハスラー
本来の英語的な意味は、「詐欺的な手段により金銭的利益を得るプレーを行う人」「初心者や酔っぱらいなどを装い、相手を油断させて大金を巻き上げるプレーを行う人」を指し、ビリヤードプレイヤーそのものの総称ではないが、日本では映画『ハスラー』『ハスラー2』の影響によって、ビリヤードプレイヤーを指す言葉として一般的に用いられている。ちなみに「ビリヤードをする人」という意味のbilliardistという単語もあるが、普通はポケットビリヤードをする人なら「pool player」、プロなら「professional pool player」となる。

■3/8システム
システムの一つで、手球と的球がフローズンの状態からショットした時の、手球の進行方向を読むシステム。

■バット
キューを2分割した時のジョイントから下半分の部分。先端部のジョイントから、ジョイントカラー、ハギや様々なデザインが現れているフォアアーム、糸や革が巻かれたグリップ、グリップ後端からバンパーまでのバットスリーブに大別される。メインの材料として、キューが求められる曲がり少ない安定した性質を持ちながら色合いや木目も美しい「銘木」が使用される。また、従来のハギや複数の木材を繋ぐ製法だけでなく、製品の安定性やプレーアビリティの向上を求め、複数枚のバット材を貼り合わせて加工する、中心部と外縁部で異なる木材を使用して加工するなど、’90年代以降はシャフト同様に様々な構造を持ったバットも製作されている。

■バットスリーブ
バットのグリップ部分の終わりからバットプレートまでの部分で、この部分にも様々なデザインの装飾が施されているものが多い。

■バットプレート
バットの最も後のキュー尻の部分で、樹脂などであることが多い。この部分だけ独立した作りになっているキューも多いが、そうではなくバットスリーブと一体で区別のないものもある。中にはウェイトボルトが仕込まれることも多く、これを交換することでキューの重さが調節できる。

■バニッシュフィルム
目の細かいサンドペーパーに似ているが、プラスティック製のフィルムで、シャフトの表面コンディションをよくするために用いる。数種類の商品がある

■腹切りバンク(はらきりバンク)
的球を先に一度以上クッションに入れてからコーナーやサイドにポケットするバンクショットの内、的球の「腹」を「カットする(切る)」して手球がポケットする的球の進路を横切るように走るショットの俗称

■バランスポイント
キューの重心位置のこと。キューを横にした状態で一点で支えた時、どちらにも傾かずにバランスが取れた場所。通常は、バランスポイントの15cm~0cmほど後ろにグリップ位置を取るのが良いと言われるが、個人の体格差やショットの種類によって異なることもある。

■バンキング
オープニングブレイクの選択権を決定するための方法として、競技会で最も一般に用いられる方法で、2人のプレイヤーが、ヘッド側からフット側の短クッションに同時に球を撞き、それが手前のヘッドクッションにより近く停止した方が選択権を得る。2度目のクッションは入っても入らなくても良い。

■パンク
使い込まれる内に寿命を迎えた革製のタップが、内部の繊維同士がほどけて硬さをすっかり失った状態。親指でタップに横向きの力を軽く加えて、タップ全体が簡単に変型するようになったら、もうパンクしている。

■バンクショット
的球を先に一度以上クッションに入れてからコーナーやサイドにポケットするショット。ショットの形によって同じバンクでも、様々な呼び名がある。またこのショットにもシステムは存在する。

■バンクショットシステム
バンクショットの狙いをまとめたシステム。

■反射角(はんしゃかく)
ボールがクッションから反射して出て行く際の角度。入射角が同じ場合でも、ショットの強さや上下左右の撞点の違いなどで反射角は様々に変わる。これをコントロールすることで様々なポジションプレーが可能となる。

■バンパー
キューのバットの床に当たる部分を保護するために取り付けられたゴム製のパーツ。床面との衝撃からキューを守る。

■B級・Bクラス(びーきゅう・びーくらす)
ポケットビリヤードのアマチュアプレイヤーのレベルを表す言葉の内、3番目のクラスを指す。ビリヤード場やアマチュアのトーナメント等の場面で広く使用されているが、現在の所、全国的に統一された基準はない。ポケットビリヤードを愛好するプレイヤーの中ではアベレージプレイヤー層で、その数も多く、レベルの幅も広い。

■引き球(ひきだま)
手球の下を撞いてバックスピンを与え、的球に当たった後に手球が転がるコースを、バックスピンの効果によってコントロールしようと意図したショット。的球に対して直線的に100%の厚みで当たった場合は、手球はその場所から直線的に後進する。角度のある的球に当たった際には、一旦手球は的球の進行方向に対して90度の方向に動いた後に、バックスピンの影響によってカーブ描きながら後進する。

■ビギナー
初心者のこと。字義通りに解釈すれば、ビリヤードを始めて間もない人を指すが、基本事項の習得がほとんどなされていない技術的なレベルのプレイヤーを、経歴とは無関係に指すことが多い。

■ビギナーズトーナメント
初心者のみを対象とした大会。完全な初心者だけでなく、C級程度までの参加を認めるものが多い。

■ヒッカケ
的球がクッションに近い、あるいはタッチしている場合に、一度クッションに手球を入れた後に的球に当ててシュートすること。的球を「引っ掛ける」様な形からこのように呼ばれる。「前クッション」とも呼ばれることもある。手球と的球が90度以上の角度にあって直接シュートすることが不可能な場合でも、これを使えばシュートが可能なこともある。

■ヒネリ
手球に左右の回転を与えること。または左右の撞点を撞いて手球に与えられた横方向の回転のこと。これを用いることによって様々な手球のアクション、ポジションプレーが可能となる。ヒネリをかけられた手球は特にクッションに入った際に効果を発揮し、この動きをポジションプレーに利用する。手球の端を撞けば撞くほどヒネリの回転量(すなわち効果)は上がる。ただしこれを使うと、ショット時に「見越し」が発生するため、シュートの難易度は上がる。

■ビリヤード
「キューでボールを撞く」競技の総称。世界中で親しまれている主な競技を大きく分類すると、ポケット(プール)、キャロム、スヌーカーの3競技となる。

■ヒルヒル
試合において、自分も相手もあと1点で勝利するという、フルゲームの状態のこと。お互いにリーチをかけた状態。語源は英語のhill-hill、つまり「両者丘に上がった状態」から。

■プール
もともとポケットビリヤードのテーブルは、ポケットに落ちたボールがそこに溜まる仕組みになっていたことから、英語圏では主に「溜まる」という意味の「pool」が、ポケットビリヤードを指す一般的名称として使われている。もともとアメリカでは、ビリヤードというとスリークッション競技を指すことが多い。ただし、その事情は国ごとに違って、フィリピンなどでは、日本と同様にビリヤードという言葉がポケット競技を指す。

■ファイブアンドハーフシステム
ポケットビリヤードで最も頻繁に活用されるシステムの1つ。手球位置と3クッション目から、狙うべき1クッション目を算出する。

■ファウル
「ノークッションファウル」や「スクラッチ」「球触り」など、ビリヤードをプレーする上で、合法でないショットや行為。

■フィート
長さの単位。ft.と略される。英語では単数形がfoot、複数形でfeet。1フィートは12インチで、約30.48cm。テーブルを始め、多くのビリヤード用具はフィートを基準単位としている。

■Vブリッジ
ブリッジの一種。キュー方向がスタンダードブリッジに比べて見やすいために、難しい狙い(遠くて薄いなど)の場合などに使われる。作り方は(1)テーブルに手を付いて、(2)そのまま卵を掴む様に手を膨らませる。(3)それに親指を添えれば完成。

■フィンガーチップブリッジ
ブリッジの一種で、ブリッジを組む場所を的球が塞いでいる場合や手球とブリッジの間に他のボールが障害となっている場合などに用いられる。オープンブリッジを応用した形で、指先でブリッジ全体を立たせることでシャフトに高さを与えてショットを可能にする。

■フェノリック樹脂
ボールやキューパーツ、さらにはタップの素材としても用いられる合成樹脂。手球は、古くは象牙で作られていたが、比重を象牙に近づけた樹脂として、硬度などもボールに適している。

■14-1
ポケットビリヤードの代表的なゲームの一つで別名を「ストレートプール」ともいう。15個の的球を使用し、番号に関係なくポケットしていき、14個目をポケットした時点で頂点のない14個でラックを組み、15個目をポケットしながらそのラックを割ることで、プレーを継続するという種目。英語で表記する際には通常「14.1」と書く。

■フォーム
そのスポーツにとって望ましい、一連の身体の動きのこと。また、各部所別にその部分だけの形を意味することもある。これが安定しているとプレーレベルも安定する。

■フォロー
(1)「フォローショット」「押し球」のこと。(2)手球に与えられた前進回転のこと。

■フォローショット
手球に前進回転を与え、的球に当たった後に手球が転がるコースを、前進回転の効果によってコントロールしようと意図したショット。的球に対して直線的に100%の厚みで当たった場合は、手球はその場所から直線的に前進する。角度のある的球に当たった際には、一旦手球は的球の進行方向に対して90度の方向に動いた後に、前進回転の影響によってカーブ描きながら前進する。

■フォロースルー
手球をタップがインパクトした後のキューの出方のこと。一連のストローク中の最終段階。

■プッシュ
「プッシュアウト」のコール。日本では以前、「ダブルヒット」コールを「プッシュ」とコールとしていたこともある。

■プッシュアウト
ブレイクショット直後のプレーで、例えば取り出しが隠れているなど、シュートやセーフティが難しい時、手球をテーブル上の任意の場所に移動させて(キューで撞く)、相手に撞き番を回すこと。主にナインボールやテンボール、ローテーションで適用されるルール。この権利は、ブレイクショットで的球が入った場合はブレイクをしたプレイヤーに、ノーインだった場合は相手プレイヤーに必ず発生する。プッシュアウト後に撞き番が回ってきたプレイヤーには、自分が撞くか、パスするかの2つの選択肢がある。その際、シュートやセーフティなどで攻略できると思えば、そのまま撞く。上手い対抗策が思い浮かばない、あるいは策は浮かぶが技術的に難しいなどの場合は、「パス」とコールする。パスされた場合、プッシュアウトしたプレイヤーは必ず自分で撞かなければならない。注意点は、プッシュアウトの時に限り、ノークッションファウルは適用されないこと(スクラッチはファウルになる)。また、手球はどの的球に当てても入れても良い(9番ボール以外はテーブル上に戻さない)。

■フット
ビリヤード台の向きを表す表現で、ラックを組む側のこと。

■フットクッション
テーブルのフット側の短クッション。

■フットスポット
フット側から2ポイントの距離で、テーブルの中央線の上に記された点で、通常は丸いシールが張ってある。ラックを組む際は、頂点となるボールがこの上に来るように配置する。また、各種目のルールで、的球をこの上に移動するという場面もある。

■プライベートキュー
和製英語である「マイキュー」を正しい英語で言った言葉。ハウスキューに対して個人の所有するキューのこと。

■プラスツーシステム
代表的ダイヤモンドシステムの1つ。テーブルにある各ポイントを使って、短―キ―Zのスリークッションのラインと手球が向かう各ポイントの数値を加減乗除によって算出することができるもの。

■フリ
的球をシュートする際の、手球と的球とポケットの3ケ所を結んだ線の曲がり具合、角度のこと。的球とポケットを結んだ線の延長線上に手球がある真っ直ぐの配置の時以外は、全て「フリがある(付いている)状態」。また、的球をポケットした後、手球が自然と次の的球の方へ向かうフリを「順フリ」と言い、その逆を「逆フリ」と言う。この、フリを付ける/付けない、少しフる/大きくフる、順フリ/逆フリは、ポジションプレー最大の要素である。

■フリーボール
相手のファウルにより、手球を手に持ってテーブル上の任意の場所に手球を置けること。「手球フリー」とも言う。フリーボールは和製英語で、本来の英語では「ball in hand」という。

■ブリッジ
(1)手球を撞く際にシャフトを支える側の手の構えのこと。右利きの人の左手の形。スタンダードブリッジ、オープンブリッジなど様々な種類がある。(2)メカニカルブリッジの短縮形。

■ブリッジヘッド
メカニカルブリッジのシャフトを乗せる部分。

■フルボール
狙うポケットと的球と手球が一直線に並んだ、厚み100%の状態の配置のこと。

■ブレイク
(1)複数の的球が近接してある時、それを手球や他の的球によって散らすこと。(2)ブレイクショット、またはオープニングブレイクショット。

■ブレイクアンドランアウト
例えばナインボールにおいて、ブレイクで9番ボール以外の球を落とした後、そのまま最後の9番ボールまでシュートミスせず取り切ること。テンボールの場合なら10番ボールまで、エイトボールの場合なら、自分のグループボール全て+8番ボールまでを、ブレイクインからノーミスで取り切ればブレイクアンドランアウトとなる。ただし、取り切りの途中でコンビネーションショット、キャノンショット、フロックなどで9番ボールや10番ボールを落とした場合は、正式にはブレイクアンドランアウトとは言わない。日本では一般的にマスワリと呼ばれる。

■ブレイクキュー
ブレイクショットのための専用キュー。ハードショットに適したタップの硬さや形状、キューの特質(硬さ、バランスや重さの違い)が考えられて設計されている。現代では、プロ・アマチュア問わず多くのプレイヤーはプレーキューとは別のブレイク専用キューを使用している。

■ブレイクショット
(1)オープニングブレイクショットのこと。(2)1つのゲームが終了するまでに2回以上のラックを必要とする種目では、オープニングブレイクショットと分けて、2度目以降にラックを割るショットのことだけを指す。

■ブレイクボール
これをポケットしながら「トラブル」を壊すための的球。

■プレーキュー
通常のプレー一般に用いるためのキューを、ブレイクショット専用、ジャンプショット専用などのキューと分けた場合の呼称。

■フローズン
ボールが、クッションや他のボールと完全に隙間なく接触した状態のこと。「トラブル」である場合が少なくない。ただし、この状態で的球と他の的球を結んだラインがポケットに向かっている場合に「即死コンビ」となる。タッチとも言う。

■フロック
狙いでなく得られた好結果。まぐれのこと。「外したと思った的球が別のポケットに入った」などラッキーショット全般を指す。英語ではflukeで、正しい発音は「フルーク」。

■プロテスト
公式団体によって行われるプロ・プレイヤーの資格を取るための試験。日本では、JPBAによってボウラードを種目として行われている(学科試験もある)。どの国でもプロになるために試験があるわけではなく、自己申告のみでプロを宣言できる場合もある。

■分離角(ぶんりかく)
「フリ」がある場合に、手球が的球に当たった後に手球が走るラインとシュートラインの間の角度。手球が無回転状態にある場合には「90度」でこれを「基本分離角」と言い、「押し」がかかっていると90度より小さく、また「引き」がかかっていると大きくなる。ポジションプレーやキャノンショットなどを考える場合には、まずこの90度で手球がどこに向かうかを見極めることが重要となる。

■ベーシック
15個のボールを順番に関係なく1個1点として落とし、参加プレイヤーの中で最も多くを得点した人の勝ちとなる、最も単純なゲーム。初心者の入門用、あるいは経験者のウォーミングアップとして用いられる。

■ヘッド
ビリヤードテーブルの向きを表す語で、ブレイクショットを撞く側のこと。

■ヘッドクッション
ヘッド側の短クッション。

■ヘッドライン
キッチンの領域を示す線のこと。ヘッド側から2ポイントの距離で短クッションと平行に引かれた線。

■ヘッドスポット
ヘッドラインの中央の点。センタースポットに対して、フットスポットと対照な位置にある。通常は、特にこの点を示す印が付けられていないことが多いが、種目によっては使用される。

■ヘッドレール
ヘッド側の短クッションのある木枠の上面部分。

■への字(へのじ)
ポケットと的球、手球までを結んだラインがクッション側から見て「へ」の形になっている配置。構えて手球から的球を狙った際に、視界から狙うポケットが見えにくいために、苦手とするプレイヤーが多いショットの一つ。

■ボール
ポケットビリヤードのボールには、手球と的球の2種類があり、白いものが手球で、的球には1~5までの番号が振られている。1番~番ボールまでをローボール、9番~5番ボールまでをハイボールとも呼ぶ。以前は象牙製であったが、現在はフェノリック樹脂製がほとんど。

■ボールインハンド
相手のファウルにより、手球を手に持ってテーブル上の任意の場所に手球を置けること。日本では「フリーボール」「手球フリー」と表現されることが多い。

■ボールハンデ
対戦するプレイヤーに実力差がある時、勝機の均等化を図るために設けられた条件差の一つ。そのゲームを勝ちとしたり、得点を得るために落とすべきボールの個数や種類に差をつけるハンデ。

■ポイント
(1)得点のこと。スコア。(2)1ラック(ゲーム)の勝ち。(3)クッションに添ってテーブルの周囲に等間隔に並べられた印。クッションを使ったショットをする際などに目安として利用される。(4)バットのハギのこと。あるいは、その先端部分。さらにその数のこと。

■ボウラード
10個の的球と手球を使用し、2イニングを1フレームとして、10フレームプレーして高得点を目指すゲーム。ボール番号に関係なくどの的球からポケットしてもよく、1個を1点として、ボウリングのスコア様式に則って合計得点を算出する。ちなみに日本では、JPBAのプロテストの実技種目となっており、男子トーナメントプロの合格ラインが3ゲームの合計得点が630点以上、女子トーナメントプロの合格ラインが3ゲーム合計420点以上となっている。

■ポケット
(1)ポケットビリヤード台の四隅(コーナーポケット)と長クッションの中央(サイドポケット)の合計6ケ所に設けられたボールを落とす穴のこと。(2)日本語としては、ポケットビリヤードそのものを指す語としても用いられる。

■ポジションプレー
1つの的球をポケットした後、次のプレーが容易に連続して行えるように考えて、手球などをコントロールすること。場面に応じた、適切なショットの力加減や撞点の調整、さらにクッションの反射の読みなど総合的な技量が必要となるが、ポケットビリヤードの面白さを理解するためには不可欠な要素。

マ行(マ・ミ・ム・メ・モ)


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■マーキング
ショットの狙いの目標とするために、レールにチョークを置いたり、ラシャに印をつける反則行為。ファウルとなる。

■マイキューマイキュー
ハウスキューに対して個人が所有するキューのことを指す、日本では一般的に使用されている和製英語。

■マス
ラックを意味する俗語(ラックを組むことを「マスを立てる」などと言う)。

■マスワリ
例えばナインボールにおいて、ブレイクで9番ボール以外の球を落とした後、そのまま最後の9番ボールまでシュートミスせず取り切ること。テンボールの場合なら10番ボールまで、エイトボールの場合なら、自分のグループボール全て+8番ボールまでを、ブレイクインからノーミスで取り切ればマスワリ達成となる。ただし、取り切りの途中でコンビネーションショット、キャノンショット、フロックなどで9番ボールや10番ボールを落とした場合は、正式にはマスワリとは言わない。語源は、桝(ます。ラックのこと。転じて「1ゲーム」の意も)を、割って(ブレイクして)、取り切ることからと言われている。

■マッシュルーム
タップを使用する内に圧力で変型し、タップの側面が膨れてはみ出してくること。俗に「太鼓」とも言う。ナイフなどで、先角の側面のラインに合わせて調整する必要がある

■マッセ
キャロムで使われること多いショットの1つ。キューを極端に傾斜させることで、手球に急速な後退やヒネリの回転を与え、通常のショットでは不可能な動きをさせるショット。

■的球(まとだま)
(1)手球に対して、番号のついた1番から15番までのボールの総称。さらにソリッド、ストライプ、エイトボールの3種類に別れる。(2)今、ポケットに入れようとしている番号ボール。あるいは今、手球を当てようとしている番号ボール。

■見越し(みこし)
手球をヒネった(手球の左右を撞いた)時の、手球の進路のズレ(トビ)。また「このぐらいズレるだろう」と見越して狙いを意図的に厚めや薄めに補正する行為自体を指す。語源は「××を見越して、○○する」の見越し。どんなショットで、どのぐらい見越しが出るのかは、撞く人、シャフトの性質、ストロークの仕方、撞点などによって変わってしまうため、「このぐらい」という基準がない。

■ミス
(1)狙いを失敗すること。(2)狙った的球をポケットできなかったがファウルとならずに済み、ペナルティなしに順番を交代すること。

■ミスキュー
中心以外の撞点を用いて手球をショットした時、タップが手球の表面で滑ることでしっかりとショットできないこと。これが起きても手球が的球に当たってノークッションでなければファウルにはならない。

■ミスジャンプ
ドローショットを狙って、下の撞点を用いた時などに、撞点を下げすぎたために手球の下にキュー先が潜り込んで、手球をすくうようにジャンプさせてしまうこと。多くの場合2度撞き以上になっているため、ルール上でもファウルとなる。

■メイプル
楓(カエデ)の木。ビリヤードのキュー、特にシャフトの素材としてよく用いられる木材。カナダ産のものが良質とされる。

■メカニカルブリッジ
手の届かない位置にある手球をショットするための補助器具。深さの異なる凸凹が付いているものもあり、使う場所、狙う撞点の違いにより使い分けることができる。

ヤ行(ヤ・ユ・ヨ)


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■四ツ球(よつだま)
キャロム競技の一種。ポケットのないテーブルと大きめのボール4個(赤2個、白2個)を用い、白2個の内、自分の手球として決められたボールを撞く。手球が連続して2個以上の他のボールに当たれば得点となり、設定された自分の持ち点に先に達した方が勝ちとなる。手球が他のボールに当たる経過(クッションに入る回数など)には条件がない。使用されるキューは、ポケットビリヤードよりも大きくて重いボールに負けないように、先端部分から徐々に太くなっており、シャフトのしなりが少ないように作られている。

ラ行(ラ・リ・ル・レ・ロ)ワ行(ワ・オ・ン)

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■ラウンドロビン
試合の形式の一つで、参加したプレイヤー同士が全員と試合を行うもの。総当たり戦。リーグ戦とも呼ばれる。

■ラシャ
漢字では羅紗だが、一般的にはラシャとカタカナで表記される。ビリヤードテーブルのテーブルベッドに敷かれるとともに、クッションゴムにも巻かれている布のこと。純毛のものや合繊混紡ものがある。色は青や緑が一般的だが、赤やゴールドといった様々な色のものもある。厚さにも種類があり、ボールの転がりのよいラシャを「速い」、転がりの悪いラシャを「遅い」という。使用頻度によって差異はあるが、ビリヤード場では通常、半年から1年ほどのサイクルで新しいものと交換される。

■ラック
(1)トライアングルラックのこと。(2)トライアングルラックを用いて組まれた、種目ごとの的球の集合。

■ラップ
グリップの糸巻き部分のこと。バットが糸巻きや革巻きでなく、木材のみで作られている場合には、「ノーラップ」と呼ぶ。

■ラミネートタップ
薄い革を何枚も重ねて接着したものを丸く型抜きして作られたタップの総称。日本では一般的に「積層タップ」と呼ばれる。これを世界で初めて開発して製品化したのは、日本の「モーリタップ」で、現在では、これに追随する世界各国の多くのメーカーがこのタイプのタップを製作、販売している。

■ランアウト
(1)ゲームの途中でターンが回ってきた後、テーブル上に残っているポケットすべき的球を最後まで、ミスやファウルをせずに1回のイニングで落とし続けること。(2)ブレイクアンドランアウトのこと。

■リク
2度撞きの俗称。現在はあまり使用される事はないが、オールドプレイヤーからこの言葉が聞かれることはある。リクとは「陸軍撞き」が縮まったもの、という説がある。その理由は、「無理を通す撞き方」だからだそうだ。

■レース
セットマッチでの「先取り」のこと。11ラック(ゲーム)先取なら、「race to 11(eleven)」という。5、4のハンデ戦なら「race to 5(five)and 4(four)」と言う。

■レール
台の周辺のクッションゴムが取りつけられている木枠の上面部分。ルールとして、このレールの上は場外と見なされる。

■レールブリッジ
ブリッジの一種で、手球がクッションの近くにある時に用いる、通常とは形状や要領の違うブリッジ。その形は(右利きの人の)左手の置く位置によって様々にある。

■レシーブボックス
ポケットビリヤードのテーブルのフット側にあり、ポケットに落ちたボールは全てここに集まる。この仕組みは比較的最近に開発されたもので、元々はポケット毎に張られた網にボールが「溜る」ようになっていた。このことからアメリカでは、ポケットビリヤードを指す一般的な名称として「pool」が使われている。

■レスト
(1)ブリッジのこと。手球を撞くときにシャフトを支える側の手の構え。手球の配置や、撞こうとする球種などにより色々な種類がある。(2)メカニカルブリッジのこと

■ローテーション
日本のポケットビリヤードの歴史の中でも、最も古くから行われてきた代表的な種目。手球と1番から15番までの的球を使用し、テーブル上の最小番号のボールに最初に手球を当てる。ポケットされたボールの番号が得点となり、所定の点数に先に達した方の勝ちとなるゲーム。

■ローボール
ポケットビリヤードの的球の内、1番から7番ボールまでの総称。ストライプに対応するボールのグループ。

■ロングライン
ビリヤードテーブルの短クッションの中央同士を結んだ線。ルールでロングラインが用いられる場合は、フットスポットから短クッションの中央までの線を指すことが多い。種目の規定により、的球をフットスポットに置くことがあるが、複数のボールが同時にその対象となった場合は、ロングラインに沿って、フットスポットか短クッション側へ接触させて並べていく。

ワ行(ワ・オ・ン)

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■ワンポケット
ポケットビリヤードの代表的なゲームの一つで、アメリカではトーナメント種目にもなっているなど人気が高い。2名のプレイヤーがフット側のいずれかのコーナーポケットを自分のポケットとし、そこに的球をポケットできた時だけが得点となるゲーム。15個の的球を使用し、過半数にあたる8個以上をポケットして勝ちとなる。

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